パッドオンビアとは、パッド内にビアを配置する設計で、通常は基板のスペースを最適化するために使用されます。パッドオンビア技術を使用した場合、基板に部品を配置するためのスペースを最大50%向上することができます。デバイスのファインピッチ化や電子製品の小型化が追求されたことで、基板技術によるパッドオンビアの普及が進んでいます。
埋込ビアやブラインドビアなど他のビアが、スペースを節約して部品密度を高めるのに適していることは分かっていますが、高速で高放熱が要求される基板には、やはりパッドオンビアが理想的な解決策です。
基板設計におけるパッドオンビアの利点
● 多層基板や高密度基板の容積や寸法を削減出来ます。
● より小さく、コンパクトな配線が可能になります。
● LGAパッケージやBGAパッケージの配線を簡素化出来ます。
● ファインピッチ、ビッグピッチBGAの配線要求を容易に実現出来ます。
● 高速基板設計におけるインダクタンスの低減が可能です。
● 熱管理の改善が出来ます。
● ビアの電圧能力を高めます。
● フラットで平坦な表面を提供出来ます。
● 高周波部品の接地に有効です。
● 製造上の欠陥を減らし、歩留まりを向上出来ます。
● 高周波設計におけるEMF放射量を削減出来ます。
パッドオンビアに関する検討事項
パッドオンビア配線には様々な利点がありますが、製造の複雑さと材料コストが増加します。追加のビアを作成するには、より多くの穴を開ける必要があり、穴のめっきにより多くの銅が必要であり、ビアを充填するための材料も多く必要となります。また、このプロセスは、気泡がビアを通って上方に移動するため、はんだ接合部にボイドが形成される可能性があるなど、他の問題を引き起こす可能性があります。
したがって、パッドオンビア配線に必要な追加の製造時間とコストを考慮すると、従来のビア配線で目的を達成できるのであれば、パッドオンビア設計は避けた方が良いでしょう。配線のコンパクト化や基板の小型化をより重視するのであれば、パッドオンビア配線が理想的な解決策になります。
そして、パッドオンビアを設計する際には、パッドオンビアが基板メーカの最小アニュラーリング要件を満たしていることを確認する必要があります。また、パッドオンビア配線技術で基板を製造するには、追加のドリルファイルが必要です。パッドオンビア技術では、従来の製造と比較して、価格やリードタイムが常に異なります。注文を出す前にメーカに要望を伝えておくことをお勧めします。
パッドオンビア設計は基板実装の製造難易度を高めますが、基板の全体的なパフォーマンスを向上させるため技術者に好まれています。PCBGOGOは、長年のパッドオン技術を採用しているターンキー基板メーカのリーダーです。私たちは、パッドオンビアを備えた信頼性が高く安全なPCB製品を確実にご提供致します。
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