フレキシブル基板とは
フレキシブル基板(FPC)は、その名の通り、曲げたりねじったりしても損傷せず、柔軟に形を変えることができる基板です。この特性により、装置内で基板を自由に配置したり、必要に応じて最適な形に加工することが可能です。一般的には、ポリイミドやPEEK(ピーク)、ポリエステルフィルムなど、柔軟性のある材料が使われます。
リジッド基板とフレキシブル基板(FPC)の違い
l 材料
リジッド基板(硬い基板)の誘電体(絶縁体)は、エポキシとガラス布の複合材がよく使用されますが、FPCの場合はポリイミドをはじめとする柔軟なシートが使用されます。この柔軟性が、FPCをさまざまな用途に適応させる大きな特徴です。
l はんだマスク(ソルダレジスト)
リジッド基板では、部品を実装するために、両面に厚みのあるはんだマスクが使用されます。一方、FPCでは通常、カバーコート(薄いポリイミドフィルム)が使われ、必要に応じて穴を開けたり、レーザーでカットすることができます。これにより、FPCはより柔軟な設計が可能となります。
l 製造工程
基本的な製造工程はリジッド基板と共通していますが、FPCはその柔軟性ゆえに、若干の追加のツールや設備が必要となることがあります。
l 価格
FPCはリジッド基板よりも価格が高い場合が多いですが、その分、省スペース性や軽量化、信頼性などの面で大きなメリットを提供します。これらの利点が、最終的なコストパフォーマンスを大いに向上させます。
FPCの特徴と用途
フレキシブル基板の優れた特徴は、さまざまな用途で活用されています。ここではその特徴を詳しく紹介します。
l 優れた柔軟性
FPCの最大の特徴はその柔軟性です。これにより、複雑な形状の中に基板を適切に配置できるため、特に狭いスペースを有効活用したい場面で重宝されます。例えば、スマートフォンや医療機器などでは、この柔軟性が機器の寿命を延ばし、設計の自由度を大いに高めています。
l 軽量で小型
FPCはリジッド基板に比べて非常に軽く、サイズも小さく設計できます。この特徴により、人工衛星や宇宙機器など、重量やスペースが限られた環境でも使用されています。また、LED機器や家電、自動車などでも、サイズと重さを削減するためにFPCが採用されています。
l 優れた可動性能
FPCは、曲げたり折りたたんだりしても損傷せず、簡単に収納できるため、屋外の電子機器やスポーツ用品、ウエアラブルデバイスにも最適です。その柔軟性と耐久性が、過酷な環境でも高いパフォーマンスを発揮します。
l 高い信頼性と優れた放熱性
FPCは機械的な接続部が少なく、過酷な環境下でも耐久性が向上します。また、リジッド基板よりも放熱性能が優れているため、熱の問題が懸念されるデバイスにも適しています。これにより、コンピュータ機器やテレビ、プリンター、ゲーム機器などにも多く使用されています。
FPC(フレキシブル基板)は、リジッド基板に比べて、軽量化、省スペース、柔軟性など多くの利点を持っています。そのため、スマートフォンや医療機器、宇宙機器、スポーツ用品など、さまざまな分野で欠かせない技術となっています。一方で、価格が高い点はデメリットですが、その分のメリットを最大限に活かすことで、非常に高いコストパフォーマンスを発揮する基板です。
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