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Dec 17.2025, 09:45:39
SMT 実装および PCBA 製造の分野では、理想的なはんだ接合を実現することが最終的な目標です。しかし実際の製造現場では、「はんだ吸い上がり(はんだウィッキング)」と呼ばれる品質不良が発生することがあります。これは、溶融したはんだが部品リードに沿って上方へ流れ、結果としてパッド上のはんだ量が不足したり、リード部にはんだが過剰に付着したりする現象です。場合によっては、ブリッジや接合不良につながり、PCBA の信頼性や電気的性能に重大な影響を与えます。この現象の根本原因を正しく理解し、的確な工程管理を行うことが、安定した高品質 PCBA を実現する鍵となります。はんだ吸い上がり現象が発生する理由はんだが過度にリード側へ上昇する現象は、主に熱、材料、物理特性が複合的に作用することで発生します。1. リフロー温度プロファイルの不適切さ最も一般的な原因は、リフロー炉の温度プロファイル設定です。リフロー工程において、部品リードの温度上昇が PCB パッドよりも早い場合、パッドが十分に濡れる前に、溶融はんだが温度の高いリード側へ毛細管現象によって引き寄せられます。特に予熱ゾーンやソークゾーンでの温度差が大きいと、この現象が顕著になります。2. はんだペーストの品質問題助剤活性が弱い、または金属含有量が不足しているはんだペーストを使用すると、パッド上での濡れ性が低下します。その結果、はんだは安定してパッドに留まらず、リード側へ移動しやすくなります。3. 加熱の不均一性リフロー炉内の各ゾーンで温度制御にばらつきがある場合、局所的なホットスポットが発生します。これにより、部品と PCB の加熱が不均一になり、熱バランスの崩れがはんだ吸い上がりを助長します。4. 治具や固定方法の影響不適切に設計された治具や固定具は、熱流を遮断したり、部品の姿勢を乱したりする原因となります。その結果、リードとパッド間の温度差が拡大し、毛細管現象が発生しやすくなります。戦略的対策はんだ吸い上がりを防ぐための工程改善1. 材料とプロセス条件の最適化高品質な合金組成とはんだ助剤特性を持つはんだ材料を使用することで、均一な濡れ性を確保します。また、リフロー温度プロファイルの見直しは極めて重要です。予熱およびソーク工程において、部品リードと PCB パッドの温度差を最小限に抑え、ピーク温度到達前に両者が均一に加熱...