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夏*石

SMT実装加工における代行調達方式と支給材方式のメリット/デメリット比較

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12 0 Dec 26.2025, 09:55:32
電子機器製造業界では、SMT実装の外注加工は非常に一般的な生産形態です。SMT実装を行う際、部品の供給方法として主に「代行調達方式(代料)」と「支給材方式(自供料)」の2種類があります。代行調達方式は実装メーカーがすべての電子部品を調達する方式であり、支給材方式は発注側企業が自ら部品を用意する方式です。どちらがより有利かは、コスト、品質、リードタイム、生産規模など複数の要因によって決まります。代行調達方式のメリットとコスト面の特長まず、調達プロセスを大幅に簡素化できる点が挙げられます。実装メーカーが部品調達を一括で行うため、発注側はBOMと設計データを提出するだけで済みます。安定したサプライチェーンと調達ノウハウにより、部品調達リスクも低減されます。次に、部品管理や在庫管理に関わる人員や工数が不要となり、管理コストを抑えることができます。さらに、代替部品の提案やBOM最適化の支援を受けられるケースもあり、生産効率の向上につながります。また、実装メーカーは長期的かつ大量に部品を調達するため、ボリュームディスカウントを活用できる点も強みです。この価格優位性が製造コスト全体の削減につながる場合があります。加えて、部品調達の責任を実装メーカーが担うことで、部品不一致や品質問題による生産遅延、製品不良のリスクを抑えることができます。支給材方式のメリットとコスト面の特長支給材方式では、発注側が部品を直接調達するため、部品の品質、仕様、メーカー、ロットを厳密に管理できます。高性能部品や特殊仕様部品を使用する製品では、大きなメリットとなります。また、代行調達に伴う管理費やマージンが発生しないため、追加コストを回避できます。価格変動の大きい部品については、柔軟な調達戦略によりコスト上昇リスクを抑えることも可能です。さらに、生産計画や在庫方針に応じて調達時期や数量を調整できるため、資金効率の最適化や在庫過多の防止に寄与します。どちらの方式が適しているか大量生産や標準化された製品では、代行調達方式が管理効率とコスト面で有利になるケースが多く見られます。一方、小ロット生産やカスタム製品、品質要求が非常に高い製品では、支給材方式の方が部品管理の自由度が高く、適した選択となる場合があります。PCBGOGOでは、ターンキー実装から支給材によるSMT実装まで柔軟に対応し、プロジェクト要件と予算に最...
夏*石

SMT生産ラインにおけるはんだペースト漏印の対策方法

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16 0 Dec 26.2025, 09:55:27
表面実装技術 SMT は、電子機器製造において欠かせない中核プロセスです。しかし、生産現場では「漏印」と呼ばれるはんだペースト印刷不良がしばしば発生し、歩留まりや生産効率の低下を招きます。漏印は、メタルマスク、印刷機の条件設定、はんだペーストの品質、PCB設計など、複数の要因が重なって発生します。本記事では、それぞれの主な原因と具体的な対策について詳しく解説します。1. メタルマスクに起因する問題メタルマスクは、はんだペースト印刷において最も重要な治工具の1つであり、その品質は印刷結果に直接影響します。主な原因として、以下の点が挙げられます。開口サイズがパッド寸法と一致していない場合、はんだペーストが正常に通過しません。マスク厚が不適切な場合、厚すぎても薄すぎても印刷量が安定しません。マスクの張力不足により変形が生じ、印刷精度が低下します。対策としては、開口寸法を正確に設計した高精度メタルマスクを使用することが重要です。また、基板仕様に適したマスク厚を選定し、はんだペーストが均一に転写される条件を確保します。さらに、定期的にメタルマスクの状態を点検し、劣化や張力低下が見られる場合は速やかに交換することが求められます。2. 印刷機パラメータ設定の不適合印刷機の条件設定は、はんだペースト印刷品質を左右する重要な要素です。印刷速度が速すぎると、はんだペーストが十分に開口部へ充填されず、漏印が発生します。また、スキージ圧が不足している場合も、ペーストがマスクを通過できず、印刷不良の原因となります。対策として、印刷速度とスキージ圧を適切に調整し、パッド上に十分かつ均一にはんだペーストが印刷される条件を確立します。製品や基板仕様に応じて、印刷条件を定期的に見直すことも重要です。3. はんだペーストの品質問題はんだペーストの物性は、印刷安定性に大きな影響を与えます。粘度が高すぎる場合や低すぎる場合、いずれも正常な印刷が困難になります。また、金属含有量が不均一なはんだペーストでは、転写量が安定せず、漏印が発生しやすくなります。そのため、品質が安定したはんだペーストを選定し、適切な粘度管理を行うことが不可欠です。使用前後の状態確認や保管条件の管理を徹底し、生産条件に適合しているかを定期的にチェックする必要があります。4. PCB設計に起因する問題PCB設計の不備も、漏印の原因となるこ...
夏*石

PCBA加工工程ではSMT実装が先か 分板が先か

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14 0 Dec 26.2025, 09:55:21
PCBA加工工程には多くの重要なプロセスが含まれており、その中でもSMT実装と分板は品質と効率を左右する中核工程です。現場でよく議論されるのが、PCBA加工全体の流れの中で、SMT実装を先に行うべきか、それとも分板を先に行うべきかという点です。この選択は、生産効率、コスト管理、最終製品の品質に大きな影響を与えます。1. SMT実装と分板の基本概念SMT実装とはSMT実装は、表面実装技術 Surface Mount Technology を用いて、電子部品をPCB表面に直接実装する工程です。はんだペースト印刷、部品搭載、リフローはんだ付けといった一連の工程を通じて、恒久的な電気接続と機械的固定を実現します。現在の高密度実装では不可欠な技術です。分板とは分板 Depanelization は、1枚のパネル基板にまとめて製造された複数のPCBを、個別の基板に切り離す工程です。パネル化は生産効率と作業性を高めるために行われ、SMT実装やはんだ付け工程が完了した後に分板処理が行われるのが一般的です。2. SMT実装が先か 分板が先かの判断基準どちらを先に行うかは、工程条件や製品特性により異なります。以下では、それぞれの方式のメリットを整理します。SMT実装を先に行うメリット生産効率が高いSMTマウンターはパネル基板での大量処理を前提に設計されています。複数枚の基板を一括で処理できるため、タクトタイムを短縮できます。部品位置精度が向上するパネル状態で実装することで、基板の保持性が高まり、部品の位置ずれや回転ズレを抑制できます。ハンドリング回数を削減できる高温工程であるリフロー前に基板を分割しないため、搬送や取り扱いによる基板破損リスクを低減できます。分板を先に行うメリット生産の柔軟性が高い単板状態での実装は、小ロットや多品種生産に適しており、段取り替えが容易です。設備要件が低い大型のパネル対応SMT設備を必要としないため、中小規模の工場や試作ラインに適しています。機械的ストレスを回避できる分板工程では機械的応力が発生する場合があります。実装前に分板することで、実装済み部品やはんだ接合部へのダメージを防げます。3. 実際の製造現場における選択量産の場合大量生産では、SMT実装を先に行い、その後に分板する方式が主流です。設備能力を最大限に活用でき、実装精度と生産効率の両立が可能です...
夏*石

SMT実装加工における支給材方式とターンキー方式の比較と選び方

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12 0 Dec 26.2025, 09:55:15
電子機器製造業界において、SMT実装の外注加工は一般的な生産形態です。SMT実装を委託する際、部品の供給方法として主に2つの選択肢があります。1つは実装メーカーが部品を調達する「ターンキー方式(代料)」、もう1つは発注側が部品を支給する「支給材方式(自供料)」です。それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらがコスト面で有利かは、製造コスト、品質管理、リードタイム、生産規模など複数の要素によって異なります。ターンキー方式(代料)のメリットとコスト面の特長1. 調達プロセスの簡素化ターンキー方式では、実装メーカーがすべての電子部品を調達します。発注側は BOM リストと設計データを提供するだけでよく、部品選定や発注、納期管理といった煩雑な作業を大幅に削減できます。実装メーカーは安定したサプライチェーンと豊富な調達経験を有しており、短期間で信頼性の高い部品を確保できる点も大きな利点です。2. 管理コストの削減部品調達や在庫管理に関わる人員や工数が不要になるため、社内の管理コストを抑えることができます。また、実装メーカーによる代替部品提案や BOM 最適化のサポートを受けられる場合もあり、生産効率の向上につながります。3. ボリュームディスカウントの活用実装メーカーは長期的に部品サプライヤーと取引しており、調達数量も大きいため、量産効果による価格優遇を受けやすいという特長があります。このコストメリットが製造単価に反映されることで、全体コストを抑えられるケースも少なくありません。4. 調達ミスや品質トラブルの低減部品調達の責任を実装メーカーが担うことで、部品不一致や品質不良による生産遅延、実装不良のリスクを低減できます。特に量産案件では、安定供給と品質確保の面で有利です。支給材方式(自供料)のメリットとコスト面の特長1. 部品品質と仕様の完全管理支給材方式では、発注側が自ら部品を調達するため、部品の品質、メーカー、ロット、仕様を厳密に管理できます。高性能部品や特殊仕様部品、指定メーカー必須の案件では、大きなメリットとなります。2. 代行調達マージンの回避ターンキー方式では、部品調達に一定の管理費や利益が上乗せされることがあります。支給材方式を選択することで、これらの追加コストを回避できます。特に価格変動の大きい部品については、柔軟な調達戦略によりコスト上昇リスクを抑えられま...
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SMT実装加工におけるチップ部品への4つの要求事項

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10 0 Dec 26.2025, 09:55:10
SMT実装加工は、電子部品をプリント基板 PCB の表面に直接実装する先進的な電子製造技術です。高密度実装と高効率生産を実現できる点が特長であり、従来のスルーホール実装と比較して、実装精度の向上、生産リードタイムの短縮、省スペース化といった大きなメリットがあります。しかし、SMT実装の品質は設備や工程条件だけで決まるものではありません。使用するチップ部品の品質と仕様適合性も、完成品の信頼性を左右する重要な要素です。以下では、SMT実装加工においてチップ部品に求められる4つの主要な要件について解説します。1. 寸法公差とリードピッチSMT実装では、チップ部品の寸法公差とリードピッチが極めて重要です。部品サイズは設計データに正確に適合している必要があり、公差管理が不十分な部品を使用すると、位置ずれや実装不良、最悪の場合は PCB の損傷につながる可能性があります。また、リードピッチが設計値より狭すぎる場合は、はんだブリッジや短絡の原因となり、広すぎる場合は接触不良やはんだ未濡れなどの不具合が発生します。そのため、部品調達時には、PCB設計と完全に一致した寸法およびリードピッチを持つ部品であることを必ず確認する必要があります。2. 表面処理品質チップ部品の端子部やはんだ付け部には、良好な表面処理が求められます。代表的な表面処理には、錫メッキ、銀メッキ、金メッキなどがあります。表面に酸化膜や汚染物が存在すると、はんだ付け時の濡れ性が低下し、はんだ不良や接触不良の原因となります。さらに、長期使用においては接続信頼性の低下を招き、製品寿命に悪影響を与えます。そのため、表面処理品質が安定している高信頼性部品を選定することが重要です。3. 梱包形態の要件SMT実装加工において、部品の梱包形態は生産効率と品質に直接影響します。まず、静電気に弱い部品を保護するため、防静電梱包であることが必須です。また、輸送および保管中の破損や劣化を防ぐため、耐圧性や防湿性に優れた包装材が求められます。さらに、生産ラインでの自動実装に対応するため、リール梱包、チューブ梱包、トレイ梱包など、実装設備に適した供給形態を選択する必要があります。4. 清浄度管理部品表面の清浄度は、SMT実装品質に大きく影響します。油分や粉塵などの汚染物が付着していると、はんだの濡れ性が低下し、はんだ不良を引き起こします。また、...
夏*石

SMT加工におけるはんだクラック問題の理解と予防

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35 0 Dec 25.2025, 09:12:00
SMT加工は、現代の電子機器製造において欠かせない重要な工法であり、民生用電子機器、自動車電子機器、通信機器など、幅広い分野で採用されています。しかし、はんだ付け工程で発生するクラック問題は、PCBA(プリント基板実装品)の品質および信頼性に深刻な影響を与える要因の一つです。一 はんだクラックの主な原因分析1 材料に起因する要因はんだペーストの品質はんだペーストの成分は、はんだ接合品質に直接影響します。品質の低いはんだペーストや使用期限を過ぎたはんだペーストを使用すると、溶融時の流動性が不足し、はんだ接合部にクラックが発生しやすくなります。また、フラックスの活性が不十分な場合、部品リードとの濡れ性が低下し、接合不良の原因となります。PCB基板材料PCBの材質や表面処理方法は、はんだ付け結果に大きく関係します。耐熱性の低い基材や不適切な表面処理を採用した場合、リフロー工程中に過剰な熱応力が発生し、クラックの原因となる可能性があります。電子部品の品質品質の低い部品は、リード材質や表面めっきの品質が安定しておらず、高温環境下で膨張や収縮が不均一となり、はんだ接合部にクラックが生じやすくなります。2 工程に起因する要因リフロー温度プロファイルの不適切さリフローはんだ付けでは、温度管理が極めて重要です。加熱温度が低すぎる場合、はんだが十分に溶融せず、脆弱な接合となります。一方で、過度な高温は材料内部に応力集中を引き起こし、クラックの発生につながります。熱応力の影響各材料の熱膨張係数の違いにより、冷却工程で熱応力が発生します。特に大型基板や厚板PCBでは、この影響が顕著となり、はんだ割れの原因になります。工程管理不足はんだ印刷、部品搭載、リフロー工程のいずれかに不備があると、はんだ量のばらつきや部品位置ずれが発生し、局所的な応力集中によりクラックが生じる可能性があります。3 設備に起因する要因リフロー炉の老朽化や調整不良リフロー炉では、各加熱ゾーンの温度均一性と安定性が重要です。保守が不十分な場合、温度分布のばらつきが発生し、はんだ品質に悪影響を及ぼします。はんだ印刷装置の精度不足印刷精度が低いと、はんだペーストの塗布量が不均一となり、接合部に欠陥が生じやすくなります。二 クラック防止のための対策1 材料面での改善策高品質はんだペーストの採用製品仕様に適合した高品質はんだペース...
夏*石

SMT実装加工における部品欠品の原因とその対策

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33 0 Dec 25.2025, 09:11:54
SMT実装加工において、部品欠品は比較的よく発生するトラブルの1つですが、製品品質や機能信頼性に重大な影響を与える可能性があります。欠品が発生すると、不良率の上昇だけでなく、回路動作不良や最悪の場合は製品の故障につながります。PCBGOGOのように、PCBAの一括請負(代工代料)および支給部品対応を行うメーカーにとって、部品欠品の迅速な特定と対策は、生産効率と品質保証の両面で極めて重要です。本記事では、SMT実装工程における部品欠品の系統的な確認手順と、代表的な原因および具体的な解決策について詳しく解説します。部品欠品トラブルの確認手順部品欠品の原因を特定するためには、体系的かつ段階的な確認が必要です。1. 問題の特定まずは欠品している部品の状況を正確に把握します。*欠品している部品の種類と数量を確認*特定のロット、製品、ライン、または特定の基板位置に集中していないかを確認*AOI(自動外観検査)や目視検査を用いて、欠品箇所と部品種別を記録し、後続分析の基礎データとする2. 工程内容の確認次に、実装工程全体を見直します。*部品供給、プログラム設定、実装条件など各工程を順に確認*マウンターのプログラム設定(部品座標、回転角度、吸着条件)が正しいかを確認*オペレーションミスや設定ミスが発生していないかを検証3. 設備状態の確認設備の状態不良も欠品の大きな要因となります。*吸着ノズルや真空ポンプに摩耗や詰まりがないかを確認*テープフィーダー、振動フィーダー、トレイ供給装置が正常に動作しているかを確認*マウンターのログを確認し、吸着失敗や部品落下の履歴がないかを分析4. 部品?材料の確認部品そのものの状態も重要な確認ポイントです。*部品包装が規格に適合しているか(テープ幅、ピッチ、厚み)*部品サイズや重量が吸着能力に適しているか*保管環境(湿度管理)が適切で、吸着不良を引き起こしていないか主な原因と対応策1. 吸着ノズルの問題原因ノズルの摩耗、汚れ、詰まり、または吸着力不足により、部品を正確にピックアップできない。対策*ノズルの定期交換と部品に適したノズル形状の選定*ノズルの定期清掃による吸着性能の維持*真空吸着パラメータの最適化2. フィーダーの不具合原因テープの引っ掛かり、送り不良、供給不安定により、部品が正しく供給されない。対策*テープ状態の定期確認(幅-ピッチ-損傷...
夏*石

PCBA加工においてなぜ「工程余白(プロセスエッジ)」を設ける必要があるのか

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31 0 Dec 25.2025, 09:11:48
PCBA加工において「工程余白」は、頻繁に語られるものの、専門外の方には理解されにくい重要な設計要素です。電子製品を製造する企業にとって、工程余白を正しく理解し、適切に設計することは、生産効率の向上だけでなく、製品品質と信頼性の確保にも直結します。PCBAを専門とする立場から、本記事では工程余白の定義、役割、そして製品品質に与える影響について詳しく解説します。PCBA加工における工程余白とは何かPCBA加工における工程余白とは、基板外周部に意図的に設けられる、部品を実装しないエリアのことを指します。一般的な幅は約5mmから10mmで、基板の機能回路には含まれませんが、SMT(Surface Mount Technology)やDIP実装工程において不可欠な領域です。製造完了後、この工程余白はVカットやルーター加工によって切り離されるため、最終製品の機能には影響を与えません。工程余白を設ける主な役割1. 基板の安定した搬送-クランプを実現SMT実装やDIP挿入工程では、基板はコンベアや治具によって自動設備へ搬送されます。工程余白は、これらの設備が基板を確実に保持するためのクランプスペースとして機能します。工程余白が不足すると、治具が部品やはんだ部を挟み込む恐れがあり、部品破損や実装ズレといった品質不良の原因となります。2. 自動化設備の位置決め精度を向上高自動化されたSMTマウンターやフローはんだ装置では、基板エッジを基準に位置決めが行われます。工程余白を確保することで、設備は安定した基準を得ることができ、加工誤差の発生を防止できます。特に両面実装基板では、工程余白の有無が加工安定性に大きく影響します。3. エッジ近傍部品の損傷を防止部品が基板エッジに近すぎると、搬送やハンドリング時の機械的応力によって破損するリスクが高まります。工程余白を設けることで、部品と基板端面との距離を確保でき、物理的ダメージを効果的に低減できます。これは特に、微細部品や高精度デバイスにおいて重要なポイントです。4. AOIやX-Ray検査の安定性向上PCBA完成後は、AOI(自動外観検査)やX-Ray検査が実施されます。工程余白があることで、検査装置の位置決めが容易になり、検査精度の向上につながります。場合によっては、工程余白を一時的なテストポイントやデバッグ用途として活用することも可能です...
夏*石

無鉛波はんだの温度は何度か

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30 0 Dec 25.2025, 09:11:42
無鉛波はんだにおける温度管理は、非常に重要かつ複雑なプロセスです。主に予熱ゾーン、はんだ付けゾーン、冷却ゾーンの3つの工程で構成されており、それぞれの温度設定がはんだ品質と基板信頼性を大きく左右します。以下では、無鉛波はんだの温度条件について、工程別に詳しく解説します。1. 予熱ゾーンの温度管理予熱工程は、基板全体を均一に加熱し、熱衝撃やはんだ不良を防ぐための重要なステップです。予熱ゾーンの温度は、一般的に90℃--120℃に設定されます。予熱時間は80秒--150秒が推奨されており、多くの現場では約120秒が標準とされています。昇温速度は5℃/s以下に抑える必要があり、これによりPCBが均一に加熱され、局所的な過熱を防止できます。実際の予熱プロセスでは、約80℃の低温から徐々に昇温し、最終的に130℃未満まで上げます。装置の立ち上げから安定温度に到達するまでには、通常5--10分程度を要します。なお、PCB表面の予熱温度は180℃以下に制御することが重要で、これを超えると基板や部品の劣化リスクが高まります。2. はんだ付けゾーンの温度条件はんだ付けゾーンは、無鉛波はんだ工程において最も重要な工程です。無鉛はんだのはんだ付け温度は、一般的に245℃±10℃に設定されます。この温度範囲により、はんだが十分に溶融し、信頼性の高い接合が形成されます。はんだ槽(はんだバス)の最適温度は250℃--265℃とされており、はんだの流動性と濡れ性を確保するために重要です。加熱の昇温速度は1--3℃/sが適切で、急激な温度変化による部品への熱ストレスを防止します。また、チップ部品とウェーブはんだとの接触時の基板温度は180℃以上を確保する必要があり、これにより安定した熱伝達とはんだ形成が可能になります。3. 冷却ゾーンの温度制御冷却工程では、はんだ接合部を適切に固化させ、はんだ品質を安定させます。冷却時の降温速度は、冷却方式に応じて5--12℃/sに設定されるのが一般的です。この範囲内で急冷することで、はんだ組織が安定し、接合強度が向上します。冷却出口におけるPCB温度は100℃以下が望ましく、高温状態での排出は基板変形や信頼性低下の原因となるため注意が必要です。4. 温度管理における注意点無鉛波はんだでは、温度プロファイルの適切な設定と管理が不可欠です。温度条件は、使用するPCB...
夏*石

無鉛リフローはんだの温度設定方法

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25 0 Dec 25.2025, 09:11:37
無鉛リフローはんだの温度設定は、SMT 工程において極めて重要かつ高度な調整が求められるプロセスです。適切な温度プロファイルを設定できるかどうかは、はんだ接合品質だけでなく、部品寿命や PCBA 全体の信頼性にも直結します。本記事では、無鉛リフローはんだの特性、温度設定に影響する要因、プロファイル調整時の注意点、そして標準的な温度カーブの考え方について詳しく解説します。1. 無鉛リフローはんだの特長まず、無鉛はんだ特有の性質を理解することが重要です。無鉛はんだペーストは融点が高く、多くの場合 200℃ を超えます。これは、従来の Sn-Pb 共晶はんだの融点である 179℃ -- 183℃ よりも高温です。そのため、リフロー工程では全体的に高い温度管理が必要となります。また、無鉛リフローでは部品間の温度差を小さく抑えることが求められます。一般的に、大型部品のリード部温度は 230℃ 以上、小型部品ではピーク温度を約 240℃ に設定し、大小部品間の温度差を 10℃ 以内に抑えることが理想とされています。2. 無鉛リフロー温度設定に影響する主な要因無鉛リフローの温度プロファイルは、以下のような複数の要素を総合的に考慮して決定します。まず、リフロー炉の排気量です。排気量は炉内の温度分布に直接影響するため、実際の排気条件に合わせたプロファイル設計が必要です。次に、設備の状態も重要です。加熱ゾーンの長さ、加熱方式、ヒーター材質、炉構造、熱伝導特性などによって、同じ設定温度でも基板の実温度は変化します。はんだペーストの特性も無視できません。金属含有量やフラックスの種類によって適切な温度カーブは異なるため、必ずはんだペーストメーカーが推奨するプロファイルを基準に設定します。温度センサーの取り付け位置にも注意が必要です。センサーが発熱体内部にある場合、表示温度と実際の基板温度に差が生じるため、設定温度を実温度より約 30℃ 高めにする必要があります。さらに、PCB 自体の特性も大きく影響します。部品実装密度、部品サイズ、BGA や CSP などの特殊部品の有無により、最適な温度設定は変わります。加えて、PCB 材料や板厚、多層構造かどうか、基板サイズも温度プロファイル設計時の重要な判断要素です。3. リフロー温度プロファイル調整時の注意点無鉛リフローでは、温度カーブの調整が特に重...
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