PCB銅厚の選び方|1oz・2oz・厚銅基板の使い分けを解説
もし基板が負荷に耐えられず、配線が焼損したりシグナルインテグリティが崩れた経験があるなら、原因は銅厚にある可能性が高い。銅厚は設計者が見落としがちな仕様の一つだが、後になって問題を引き起こすことも少なくない。本稿ではその知識を整理する。
PCBの銅厚を正しく理解することは、基板設計の専門家だけに必要な知識ではない。シンプルなLED基板から大電流の電源基板まで、適切な銅箔厚を選ぶことは、基板の性能・コスト・信頼性に直接影響する。
PCB銅厚(銅箔厚さ)とは
PCBの銅厚は、1平方フィートあたりの銅の重量(オンス)で表される。この重量がそのまま銅箔の物理的な厚さに換算される。
最も一般的な標準は1oz銅箔で、厚さは約35μm(1.4mils)に相当する。これはほとんどの汎用設計における標準的な選択肢である。
銅箔厚さの規格一覧
| 銅箔重量 | 厚さ(μm) | 厚さ(mils) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 0.5oz | 約17.5μm | 約0.7mils | ファインピッチ信号層、HDI基板 |
| 1oz | 約35μm | 1.4mils | 汎用基板、民生機器全般 |
| 2oz | 約70μm | 2.8mils | 中電力回路、産業用基板 |
| 3oz | 約105μm | 4.2mils | 大電流アプリケーション |
| 4oz以上 | 140μm以上 | 5.6mils以上 | 大電力基板、バスバー用途 |
銅厚が重要な理由
銅厚の適切な選択は、設計の以下の側面に影響を与える。
1. 電流容量
銅箔が厚いほど、より大きな電流を過度な発熱なく流せる。1oz銅箔で配線幅100milsの場合、温度上昇が顕著になる前に約1〜2Aを流すことができる。銅箔重量を2倍にすれば、電流容量は大幅に向上する。
2. 放熱性能
銅は熱伝導性に優れている。銅箔が厚いと、発熱部品からの熱を効果的に拡散できる。LEDドライバ、モーターコントローラ、電源回路では特に重要である。
3. シグナルインテグリティ
高速信号には薄い銅箔が適している。寄生インダクタンスを低減し、制御インピーダンスの維持に役立つ。RFや高周波デジタル設計では、信号層に0.5oz銅箔を選ぶのが適切な場合が多い。
4. 機械的耐久性
銅箔が厚い配線は、組立時やハンドリング、熱サイクルに対してより高い耐性を持つ。自動車、航空宇宙、産業機器など、振動や温度変化にさらされる環境では特に重要である。
1oz銅厚(35μm)— 標準的な選択
1oz銅厚は、ほとんどのPCBメーカーで標準的な初期値となっている。コスト、エッチング精度、電気的特性のバランスが取れており、大半の設計に適している。
PCBGOGOを含む多くのファブハウスでは、標準的なFR4基板の内層・外層とも1oz銅箔をデフォルトとしている。製造が容易で、コストも合理的に抑えられる。
特別な電源や放熱要件がない設計であれば、1ozがほぼ常に適切な選択となる。
厚銅基板(2oz以上)の選定
すべての設計が1ozで済むわけではない。以下のケースでは2oz以上への引き上げを検討すべきである。
パワーエレクトロニクス:モータドライバ、インバータ、DC-DCコンバータなど、5A以上の電流を扱う回路
EV・バッテリーマネジメントシステム:大電流経路を1ozで実現するには非現実的な配線幅が必要になる
LED照明アレイ:高駆動電流での放熱が重要なアプリケーション
自動車・産業用制御機器:振動や熱サイクルに耐える頑丈な配線が必要な環境
極端なケース(パワーバスバーや充電システムなど)では、4ozや6ozの銅箔を採用した厚銅基板設計が可能である。ただし、銅箔が厚くなるほどエッチング工程が複雑になり、公差が厳しくなり、コストも上昇することに注意が必要である。
内層と外層の銅厚の違い — PCBメーカー視点のポイント
多層基板では、内層と外層で銅厚が異なることがある。この点は設計者が見落としがちである。
外層は通常1ozのベース銅厚からスタートし、めっき工程後に約1.4〜1.6ozまで厚くなる。一方、内層はスタックアップの要件に応じて別途指定され、0.5ozまたは1ozが一般的である。
発注時には、メーカーが提示する銅厚がベース銅厚(めっき前の積層板の銅箔厚)なのか、完成銅厚(めっき工程後の最終的な銅厚)なのかを必ず確認する必要がある。これらは同じではない。信頼できるメーカーはスタックアップ図面でこの点を明確にしている。
銅厚の選び方 — 設計の実践的ガイド
以下の手順で銅厚を選定するとよい。
1. 電流要件を確認する
IPC-2221規格または信頼性のある配線幅計算ツールを使用して、目標銅厚での必要配線幅を計算する。
2. インピーダンス要件を確認する
制御インピーダンス設計では、目標値を達成するために特定の銅厚が指定されることがある。
3. 実装工程を考慮する
非常に厚い銅箔は、はんだペースト量やリフロープロファイルに影響を与える可能性がある。
4. 早い段階でメーカーに相談する
すべてのファブがすべての銅厚に対応しているわけではない。設計確定前に製造可能範囲を確認することが重要である。
まとめ
PCBの銅厚は、電流容量、放熱性能、シグナルインテグリティ、製造コストに直接影響する重要な設計要素である。標準的な設計では1oz銅厚が実用的なベースラインとなる。より高い電流や放熱が必要な場合は2oz以上の厚銅への引き上げが必要であり、高速信号層ではより薄い銅厚が適している。
製造面では、幅広い銅厚に対応し、設計の早い段階で明確なフィードバックを提供するメーカーを選ぶことが重要である。
PCBGOGOでは、0.5ozから厚銅までの銅厚オプションを提供しており、オンライン見積もりとDFMレビューにより、製造前に問題を発見できる環境を整えている。これにより、再設計の手間をかけずに、電気的・熱的要件に合わせたスタックアップ設計を実現できる。
undefinedよくある質問(FAQ)
Q: PCBの標準的な銅厚はどのくらいですか?
最も一般的な標準は1oz銅箔で、厚さ約35μm(1.4mils)に相当します。ほとんどの汎用設計に適しています。
Q: 2oz銅厚はいつ使うべきですか?
配線に2〜3A以上の電流を流す必要がある場合、または放熱が重要な場合に2ozを使用します。電源、モータドライバ、LED照明基板が代表的な適用例です。
Q: 銅厚はPCBコストに影響しますか?
はい。銅箔が厚いほど材料費と加工費が増加するため、コストに影響します。3oz以上の厚銅基板は、標準的な1oz基板と比較して大幅に高価になることがあります。
Q: 多層基板で内層と外層の銅厚を混在させることはできますか?
可能です。実際によく行われています。信号層には0.5ozや1oz、電源層には2oz以上を使用する構成が一般的です。製造指示書に各層の要件を明確に指定してください。
Q: ベース銅厚と完成銅厚の違いは何ですか?
ベース銅厚はめっき前の積層板の銅箔厚です。PCB製造の電解めっき工程を経ると、外層の完成銅厚はわずかに厚くなります。メーカーがどちらの値を提示しているかを必ず確認してください。