営業部:営業時間 日本時間 10:00~19:00(土日祝日定休)
****
バーンインテスト中のPCBA異常発熱に対する原因特定と対策
8 0 Apr 16.2025, 15:34:27

電子機器の製造およびテスト工程において、PCBAの異常発熱は一般的かつ厄介な問題の一つです。温度が過度に上昇すると、機器の性能に影響を及ぼすだけでなく、部品の損傷や最悪の場合は製品の破損にもつながります。したがって、発熱の原因を迅速に特定し、効果的な対処を講じることが極めて重要です。本稿では、設計、材料、テストの三つの観点から、PCBAの異常発熱に対する原因究明と対策について詳しく解説します。

一 PCBA異常発熱の主な原因

設計上の欠陥

PCB設計段階のミスが発熱の原因となることがあります。たとえば

レイアウトの不備 発熱の大きい部品が集中配置されていると、熱が拡散しにくくなります

配線の問題 銅箔面積が不足していたり、配線が細すぎると熱伝導効率が低下します

放熱設計の不足 放熱スペースが十分に確保されていなかったり、適切な放熱経路が設けられていない場合があります

材料選定の不備

PCB基板材料の熱伝導特性は放熱性能に直結します。熱抵抗の高い材料を使用すると、熱が外部にうまく逃げず、局所的な温度上昇を引き起こします。

部品の問題

パワー部品の発熱 大電力部品は動作中に大量の熱を発生させるため、放熱対策が不十分だと高温の原因になります

部品の不具合 たとえばコンデンサやチップの故障により異常電流が発生し、発熱がさらに深刻化する可能性があります

製造工程の問題

はんだ付け不良 未接続やブリッジングによって電流が不均等になり、局所的な過熱を招くことがあります

残留物の影響 フラックスやはんだペーストの残留物が基板を腐食させ、リークやショートの原因となります

外部環境要因

高温環境 極端な温度条件下での稼働により、放熱負荷が増加します

通気不良 筐体内部の空気が循環せず、熱がこもりやすくなります

二 異常発熱の調査ステップと方法

外観検査

まず目視でPCBAに焦げ跡、ひび割れ、コンデンサの膨張など物理的な異常がないかを確認します。はんだ接合部に未接続やショートがないかも確認します。

サーモグラフィーによる検出

サーモグラフィーカメラを用いてPCBAの表面温度をスキャンし、異常な温度上昇箇所を迅速に特定します。特に複雑な回路基板において有効な手法です。

発熱分析

PCBAに直流安定化電源を接続し、電流を制限した状態で徐々に電圧や電流を調整しながら、発熱箇所を観察します。手触りやサーモグラフィーを用いてホットスポットを特定し、ショートや部品故障が原因かどうかを判断します。

電気テスト

マルチメーターで重要なノードの電圧や抵抗を測定し、電源や負荷の異常をチェックします。バウンダリスキャン技術を使用してチップのピン状態を確認し、チップ単位の不良を特定します。

データ分析と記録

発熱現象、測定データ、調査プロセスを記録し、不具合データベースを構築します。よくある故障パターンを分析することで、今後の設計や生産の改善に役立てます。

三 PCBA異常発熱に対する有効な対策

設計の最適化

合理的なレイアウト 発熱部品を分散配置し、熱の集中を回避します

銅箔面積の拡大 電源層やGND層の銅箔面積を増やすことで、熱伝導効率を向上させます

放熱経路の設計 通風孔やエアフロー構造により空気の流れを促進し、放熱効果を高めます

適切な放熱材料の使用

熱伝導グリースや熱伝導パッド 発熱部品とヒートシンクの隙間を埋め、熱の伝達効率を向上させます

ヒートシンクやグラファイトシート 放熱面積を拡大し、熱を迅速に逃がすために有効です。特に高発熱密度の領域に適しています

製造工程の改善

はんだ付けの最適化 はんだ品質を確保し、未接続やブリッジングを防止します

残留物の除去 フラックスやはんだペーストの残渣を速やかに清掃し、腐食やショートを予防します

放熱テストとモニタリングの強化

設計段階で熱シミュレーションを実施し、ホットスポットを予測します。製造中にはサーモグラフィーでリアルタイムに温度を監視し、放熱性能が要求を満たしていることを確認します

四 まとめ

PCBAの異常発熱を解決するには、設計、材料、製造、テストといった複数の段階から総合的に取り組む必要があります。適切な設計、材料選定、科学的な検査方法を通じて、発熱リスクを効果的に抑制し、機器の安定性と信頼性を高めることが可能です。本稿の内容が、実際の製造現場での熱対策に役立つことを願っています。


記事を書く