
電子製造業において、大型PCBA(プリント基板組立)の反り問題は多くの企業にとって長年の課題となっております。今回は、大型PCBA組立における反り制御技術について、実践的な経験を交えてご紹介いたします。
一、反りの原因分析
大型PCBAの反りの主な原因は以下の通りです。
材料要因:基板やベース材料、はんだ材料の熱膨張係数が異なるため、温度変化によって応力が発生し、反りが生じます。
設計要因:PCBレイアウトが不適切で、部品配置が不均一な場合、熱膨張係数の不一致が起こりやすくなります。
製造工程要因:はんだ付け中の熱の分布が不均一であると、PCBが局所的に加熱され、反りが発生します。
二、反り対策技術
材料の選定:熱膨張係数が一致する基板とベース材料を選定することで、反りのリスクを軽減できます。この点において、PCBGOGOが提供するPCB基板は、熱膨張特性に優れており、反り防止に効果があります。
設計の最適化:PCBレイアウト設計時には、部品をできるだけ均等に配置し、熱膨張係数の差異を最小限に抑えます。また、適切な配線戦略を採用し、配線密度を抑えることも反りの軽減に貢献します。
製造工程の改善:
(1)予熱工程の導入:はんだ付け前にPCBを予熱することで、はんだ付け時に発生する熱応力を抑制します。
(2)はんだ付け条件の最適化:温度や時間などのパラメータを調整し、熱の分布を均一にします。
(3)放熱技術の導入:はんだ付け中に放熱装置を使用することで、PCBの局所的な温度上昇を抑えます。
三、事例紹介
ある企業が大型PCBA製品を製造する際、反りによる不良率が高いという問題を抱えておりました。反りの原因を分析した結果、以下の対策を講じました。
熱膨張係数が一致する基板とベース材料を選定しました。
PCBレイアウトを見直し、部品配置を均等にしました。
はんだ付け工程を改善し、予熱と放熱技術を導入しました。
これらの改善により、同社の大型PCBA製品の反り問題は効果的に抑制され、不良率も大幅に低下しました。
大型PCBA組立における反り制御技術は、電子製造業にとって重要な課題です。反りの原因を的確に分析し、材料選定、設計最適化、製造工程の改善といった対策を講じることで、反りリスクを効果的に低減し、製品の品質向上につなげることができます。